解放された私とは

 

自分を縛る社会への怒りを作品にぶつけた女性芸術家

ニキ・ド・サンファル展

 

絵具や卵、スパゲティなどが埋め込まれた石膏のレリーフ

それを本物のライフルで撃つ

撃たれるたび絵具が飛び散る

まるで血が噴き出したよう・・・

 

絵を殺し、新たに彩色し、絵を再生させる

 

自己を解放する儀式

 

「射撃絵画」といわれるこの作品

衝撃的でした・・・

既存の女性らしさは作り上げられたもの

本当の私は違う

鬱積した思いが爆発したんですね

 

そのあと制作されたのが

「ナナ」という女性像

 

それまでの攻撃的な感じはなく

色鮮やかで丸味を帯びたナナが逆立ちしたり、踊ったり

解放された自由さが感じられます

 

この会場に実物はなかったのですが

中に人が入れる巨大な女性像も作っています

人はみな女性から生まれてくる

女性像の中に入る＝体内に戻る感覚

それはなんともいえぬ安心感を与えてくれるそうです

 

石やコーヒー豆を貼り付けたコラージュ

絵や文字が書き込まれた版画

どれもポップな色使いでかわいい

 

しかしそこには

女性であるがゆえの社会での生き難さに苦しみ

それに屈せず勇気を持ってぶち壊し、新しく切り開いていった

パワフルなメッセージが詰まっています

 

at　大丸ミュージアム東京店

５月２２日まで

 

Comments

[投稿情報: 筑前（ちくぜん）]

はじめの文章で怖いと思いましたが、 女性ならではの苦悩が表現されるのですね。

[投稿情報: ㌔㍉？托係？]

ショットガンで穴をあけたジーンズジーンズも有りましたね。 ジーンズの解放かも。

[投稿情報: おさむかな]

射撃絵画、新しい表現方法ですね みぽなびさんの文を読んでいるだけでニキ・ド・サンファルさんはすごい人との印象を受けますね

[投稿情報: みぽなび]

>>1 射撃絵画は強烈ですよね･･･。 私も同じ女性として既存の女性らしさに 窮屈さを感じることはありますが このパフォーマンスでそれをぶち壊した彼女のパワー すごいですね！

[投稿情報: みぽなび]

>>2 ジーンズの解放(^^;) 固定されたイメージを捨て去りたい願望って 誰にでも、どんな事にでもあるのかもしれませんね。

[投稿情報: みぽなび]

>>3 若い頃モデルをしていて精神的に病んでいた時に 絵画に出会い救われ芸術家の道を選んだ人だそうです。 美しく繊細な心を持ち、パワー溢れる女性だったんでしょうね。