陶器のような滑らかな乳白色の肌
墨で描かれた繊細な線
思わず くっ・・・ と息が止まる
パリを魅了した異邦人
生誕120周年
藤田嗣治展
エコール・ド・パリの代表画家
藤田といえば乳白色の肌色が美しい裸婦画
細部まで細かく書き込まれ
油絵であることを疑う
まるで日本画のような透きとおった繊細な絵
しかし、そのイメージは覆された
時代、住んだ場所によってかなり画風が変わっているのです
同一人物が描いたとは思えないくらいに
ピカソを訪ねキュビズムを学び
モディリアーニと親しくなった時期に描いたものは
なるほど
二人が友達だったことが絵を見ただけでわかる
そしてパリでは
彼を有名にした乳白色の裸婦画
ブラジルに滞在した時には
今までの繊細さが微塵も感じられないこってりした油絵で人のたくましさを描き
さらに第二次大戦中には
悲惨さをリアルに伝える戦争画
そして晩年は
動物やみんな似た顔をした架空の子どもたち
キリスト教の洗礼を受け多くの宗教画を描いている
他にも映画制作や陶器、タイルの絵付けなど
表現の幅の広さに驚きです!
伝えたいことが山ほどあったんだなぁ
映画や戦争画が問題になったりと日本では評価されず
波乱の人生を歩んだ画家といわれています
戦後パリに渡り二度と日本の土を踏むことがなかった藤田
でも
「日本人たるものなぜ墨を嫌うか」
黒を使うことを禁じた黒田清輝に対して反論したこの言葉に
本当は日本をとっても愛していたのではないか?
私にはそんな気がして、なんだか切ない・・・。
まわりからいろんなことを感じ時代から目を背けない
強くて情熱的な人だったんだなぁ・・・
ひとつ疑問に思ったことが
メキシコから戻った藤田さんは日本にメキシコ風のアトリエを作ったそうです
ヤシの木の傍らにメキシコ風の帽子を被った藤田さんの写真
そのあと、畳に障子、浴衣姿の純日本風のアトリエの絵が登場?!
一式揃ったメキシコ風の家具たちは一体どこへ
これ!と思ったらガラっと変えちゃうとこも情熱的?!
実は今年の私の部屋のカレンダーは藤田さん
そうそう!
カレンダーに猫がたくさん登場するというご指摘
おみごとぉ~
藤田さんは猫好きで、猫をいっぱい描いているんですって
この展覧会にも猫ちゃんがいっぱいですよ~♪
東京国立近代美術館
5月21日(日)まで
その後、下記でも開催されます。
2006年5月30日(火)~7月23日(日)
京都国立近代美術館
2006年8月3日(木)~10月9日(月・祝)
広島県立美術館
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